2010/11/21

ウッドデッキリフォーム

今回の施工例紹介はウッドデッキリフォームです。

ウッドデッキは木である以上、外で雨風にさらされていると、しだいに「痛み」が出てきます。



数年前に施工したウッドデッキですが、「幕板(まくいた)」と呼ばれる、先端部分の板材が割れてきました。丸くなっているデッキ形状に合わせるように、真っ直ぐな板に「切り込み」を入れながら曲げて貼ったのですが、人が歩く動線上で負荷がかかり割れやすくなっていた様です。幕板だけでなく、床板も他の場所と比べても痛みの進行が早いようです。

職人さんと修繕方法について検討してみました。幕板の割れている部分だけを切って新しい板を貼るのが最も簡単な方法ですが、幕板をとめる床板までもが腐ってきていてビスが利かない状態になっていました。つまり床板も一部交換しないと意味がないということです。更に詳しく見てみると、バルコニー屋根のおかげであまり雨の当たらない上の段と比べて、下のステップ部は多くの床板がやられていたのでした。

さて、こういった床板交換の際、どこからどこまでの範囲で交換すべきか、判断が非常に難しいところです。痛み具合も板によって差があるので、全て交換するのにこしたことはないのですが、もちろんその分金額が高くつきます。結局は、このデッキの状態であと何年使えるようにするか?という議論に行き着きました。

お施主様と協議をした結果、下のステップの床材を3分の2ほど交換することにしました。
更に、職人さんから、幕板が床板の先端の痛みを早める原因にもなっているので、幕板を外したらどうかとのアドバイスがありました。これはどういう事かと言いますと、幕板と床板との接着部の隙間に雨水が入り込んだ場合、乾きにくいので他の場所と比べて腐れやすくなるとのことなのです。更に幕板を曲げるために、写真でもおわかりのように10cm間隔で「切り込み」を入れてますが、この切り込みも、水が入り込むと乾きにくいので腐れの原因になるということでした。

以上のような理由から、幕板を使用しない方向で修繕したのがこちらです。



当初は下のステップのみ手をつける予定でした。しかし、上の幕板も外してみたところ、やはり床材の先端部が腐れはじめており、白い菌が付着していました。上の床板は全体的にまだまだしっかりしているので、交換するにはもったいないくらいです。そこで、腐れかけている先端部を切り落とし、やはりステップと同じように幕板を付けないようにするということでお施主様から了承を得ました。

「根太(ねた)」と呼ばれる下地の形状の都合上、丸くすることは出来ませんでしたが、すっぱり綺麗に仕上がりました。先端部に防腐塗料を塗ったことで腐食の進行も抑えられそうです。


結果的に修繕前とはデッキ形状が変わってしまいましたが、今回の処置によりデッキが長持ちしてくれそうです。ただの板交換に終わらず「リフォーム」としての効果が大きかったと思います。



木の最大の敵は湿気です。湿気から木を守ることが長持ちの一番の秘訣であることを今回改めて痛感させられました。



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