2010/07/29

水はけが悪い

水はけの悪い原因
お客様の庭に行ってよく耳にするのが「水はけが悪い}という言葉です。
では何故水はけが悪いのでしょうか?
元来宅地は家を建てるための土地なので、建物を支えるために頑丈な地盤が必要となります。造成宅地の多くは山を切り崩して作ってるので、全体的には岩盤の層の割合が高く基本的に水が浸透しにくい土地の性格を持っています。仮に盛土で造成したところでも、重機を使いこれでもかというくらい締め固めます。(笑)
宅地造成をするにあたり、「この辺に家が建って、この辺が庭になるだろう・・・」という予測は誰も出来ませんので、だいたい宅地はどこを掘っても固い岩盤のようなものに当たります。そう考えると初めから庭づくりには不向きな土地という結論になるわけです。また、表面の土は新しめの柔らかそうな土であっても中が岩盤ではなにもなりません。もっと厳密に言うなら、岩盤の層が土の中でどう形成されているかで水はけの良し悪しは決まると言えるでしょう。敷地のすぐ隣に山があるような地形だと、山の水分が寄ってくるという事態もあります。あとはもともと田んぼ等の湿地だった所も水はけは悪いです。ですのでこればかりはどうしようもないと諦めるしかないのが実情です。

庭木の根腐れ
水はけが悪いことで問題になるのは先ず植物達です。「根くされ」は水はけの悪い土地で発生します。元々固くて水を通さないところを無理やりスコップで掘ると、その部分がすり鉢状のプールになり、雨が降ると余計そこに水がたまりやすくなります。ですので、植木屋さんは土が固いと判断すると、それ以上掘らずに新しい土を盛って「高植え」の状態にします。その方が植物の生育には良いと判断するためです。
しかしその盛土が1箇所、2箇所にとどまらず庭全体にとなると、土もたくさん必要となるし、外周の土留めが低ければお隣さんに雨が降るたび水が流れてしまいます。ですのでそういった場合は外周にブロック積みを足すか、もしくは土の全体的な入れ替えとなります。入れ替えには相当な費用がかさみます。ましてある程度植栽をしてしまった後では、土の入れ替えは困難となります。



対応策
人為的な対応策としては暗渠排水という方法があります。庭を縦断、横断するように溝を掘り、暗渠パイプと言われる穴の開いたパイプを敷き、その上に水通しの良い砂利をかぶせます。見た目が気になる場合は砂利の上に通水性のシートを敷き、その上に薄く土を被せると良いでしょう。
暗渠排水は多くの場合庭にある雨水枡につなぎますが、水位高さの条件によっては使用できない場合もあります。また、どういう形状の庭にするか、それによってとるべき表面排水の方向と暗渠排水の経路も変わってきます。
暗渠排水は経路の取り方や土中の岩盤形成状況によって功をなさない場合もあります。
いずれにしても、盛土&高植え+表面排水+暗渠排水で効果的な方法を考えなければいけません。

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