人の感性は十人十色と言いますが、基本的に美しいと感じられるデザインには共通項があるようです。
ここでは普段私がデザインにおいて心がけているポイントを紹介してみます。
①直線基調か曲線基調か
特に平面構成において重要だと思います。大まかに言うなら、モダン系住宅や格調あるフォーマルな佇まいには直線基調。暖かみがありナチュラルテイストな佇まいには曲線基調といった感じです。
②全体レイアウトのバランス
全体は「構成物」と「空白」によって形成されてると考えています。一枚のハガキを作ろうとした時に、文字と余白のバランスを誰しも考えると思いますがこれは庭でも同じです。例えば庭面積の何パーセントを芝生が占め、土の部分がどれくらい残るか、ウッドデッキやテラスをどのくらいの大きさにすれば見栄えが良いか、等です。見た目の美しさという観点からいくと、この各構成物の平面バランスがとても重要です。
③ベース7、メイン2.5、アクセント0.5
上記の全体バランスの比率を数値化するとベース7、メイン2.5、アクセント0.5となります。例えば芝7、タイル2.5、化粧砂利0.5といった感じです。この法則は平面、立面に限らず様々なレイアウト、デザイン、またカラーコーディネート等にも言えることではないでしょうか?このバランスが保てていればたいてい何でも美しく収まります。
④物の配置は不等辺三角形
典型的なのに植木の配置があります。複数の形の異なる植木を配置する時は不等辺三角形の配置を基本とします。真、添え、控え、と和風庭園用語では呼びますが、自然界の縮小を目標とする和風庭園技術では全てこの配置を応用しています。お華もそうですね。
⑤規則配置
上記の不等辺三角形が「自然配置」とするなら規則配置は「人為的」と言えるでしょう。同じものを等間隔で並べたり左右対称(シンメトリー)に配置したりが規則配置です。配置に規則性を持たせることでリズムと調和を演出します。
⑥素材の質感を合わせる
自然素材の物同士。ステンレス・光り物同士。無機質(コンクリート)同士。柔らかい物同士。等。
⑦重心
下は重く(大きく)上は軽く(小さく)。当たり前のようですがこのバランスが保てていないと、見た目にすごく不安を感じます。色も下が重いトーン、上が軽いトーンが基本。
⑧色の統一、バランス
同系色(同じ色相)でまとめる。類似色(似た色相)でまとめる。同一トーン(ペールトーン、ダークトーン)でまとめる。上記の7:2.5:0.5を当てはめてみると、ベースは芝生の緑や土の茶色、もしく駐車場周りならコンクリートのグレーとなります。メインカラーは建物に使われている色を参考にして選ぶと良いと思います。ウッドデッキやタイルテラスやアプローチレンガの色等がそれにあたります。アクセントカラーはポストや表札やガーデン小物に用いてベースとメインに埋もれないハッキリした色が良いです。また、フェンスやカーポート等の金物は建物のサッシ枠に合わせると調和が取れます。また、レンガ積みにおいても、ベースもしくはメインになる色を7割とし残りの3割をアクセントカラーとして使うのも効果的です。
⑨人の行動習性、動線
これはアプローチの動線等の平面レイアウト時に考えますが、人は基本的に最短距離を行きたがるものです。よくアプローチを真っ直ぐせず斜めにしますが、折れ曲がる箇所にシンボルツリーが植えてあったり、石が据えてあったり、何か障害物があるからこそ、人はそこを避け迂回して家に入るのです。そういったデザインにおけるストーリー性がないと、ただなんとなくの漠然としたデザインで終わってしまいます。
ここからはその庭のケースによります。
⑩動きのある物、傾いている物
植木の枝ぶりのラインを強調することで動きのある臨場感を演出できます。特に植物は「光を求めて光の方向に伸びる」のでそれに準じて植える角度等を決めます。また、六方石等の配置ではわざと傾けて不安定な状態をつくり、場に緊張感を与えます。 水も動きをつくる絶好の材料です。更に水は「音」と「涼」も演出する、昔から庭には欠かせないアイテムです。
⑪ライティング
最近庭の照明が大きな注目を集めています。それまでの100VからLEDのローボルトライトに時代が移行してるのが大きな要因です。せっかく美しい外構、庭を作ったんだから、夜間の演出も積極的に行いたいものです。
(ベターデイズは「プロの庭照明」認定店です!)
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